骨粗鬆症財団20年のあゆみ
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412006年版の発行後さまざまな知見が蓄積し、2009年から改訂の準備作業が開始された。この間も骨折リスク評価や骨質に関する議論、新しい薬剤の実用化、原発性骨粗鬆症の診断基準や骨代謝マーカーの利用指針に関するガイドラインの改訂作業が進行しており、日進月歩の状況での作業となった。 1 普及・啓発事業(国内)6. 骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインわが国における骨粗鬆症診療関連のガイドラインは、1998年に発行された「骨粗鬆症の治療(薬物療法)に関するガイドライン」(ライフサイエンス出版1998年)が最初のもので、その改訂版が2002年に発行された。1998年の頃は、まだEBMに基づく診療ガイドラインは数少なく、「ガイドラインのガイドライン」が整備されているような時期であった。1998年版の作成母体となったのは折茂肇先生が研究代表者を務められた、厚生労働省の班研究であった。このように1998年版と2002年版は治療、特に薬物療法についてエビデンスをまとめることに重点が置かれていたが、2006年版の作成にあたっては骨粗鬆症予防の重要性に鑑み、「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」とタイトルを改めるとともに、さらなる内容の充実が図られた。2006年版では、各薬剤はもとより、非薬物療法すなわち食事療法や運動療法についてもエビデンステーブルが整備されて、それらに基づく推奨グレードの提示もなされた。また、作成にあたっては、日本骨粗鬆症学会、日本骨代謝学会、財団法人骨粗鬆症財団の3者からなるアドホック委員会としての骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会の体制が確立された。今回の改訂作業も、上記3団体の代表からなる学際的な委員会が立ちあげられ、折茂肇委員長、中村利孝副委員長のもと、作業が進められた。今回、筆者は作成委員に加えて事務局長として参加させていただいた。事務局は日本骨粗鬆症学会、骨粗鬆症財団、ライフサイエンス出版からの代表者からなり、骨粗鬆症財団から佐々木事務局長、末廣事務局次長がメンバーとして参加し、積極的に取り組まれた。今回の改訂版においては、2006年版ガイドライン発表以来蓄積されてきたエビデンスに合わせた指針を作成すべく、 骨質に関する研究成果の紹介 、FRAX®の活用を含めた薬物治療開始基準の見直し、 生活習慣病と骨折リスクに関する情報提供、 新規に保険適応を受けた薬剤と骨代謝マーカーの記載などが行われることになった。これらの内容については、2009年と2010年の日本骨粗鬆症学会総会シンポジウムで討議され、パブリックオピニオンを得ながら作業がすすめられた。委員会による執筆者と査読者の選定、複数回にわたるreviseを経て最終稿が決定された。そして、2011年11月5日に開催された日本骨粗鬆症学会総会シンポジウム でガイドライン改訂の経緯と概要についてあらためて報告され、最終的なパブリックオピニオン取得の機会が得られた。この時は特に用語の整理と統一、薬剤に関する記載の標準化、薬剤の推奨テーブル作成、骨粗鬆症薬物治療開始基準などに重点をおいて内容が確認さ

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