財団副理事長江澤郁子先生47 1 普及・啓発事業(国内)現在、当財団が把握している地域骨を守る会(「骨を守る会」の名称を用いない団体も含む)は北海道札幌市の「札幌骨を守る会」から大阪市の「医療ボランティア 骨粗鬆症・生活習慣病ネットワーク」まで8団体あり、それぞれ地域の特徴を生かした構成で実施されている。各地域の会をまず、その設立に当財団が深く関与した「東京骨を守る会」について同会会長で当財団副理事長の江澤郁子先生に語っていただき、そのあと各地域の会について触れることにする。東京骨を守る会「東京骨を守る会」は平成11年(1999年)12月に産声を上げた。その一年前のことだった。実は折茂先生より「骨粗鬆症患者の会を立ち上げてほしい」との声をかけられていた。しかし、「カルシウム・骨代謝の基礎研究および骨粗鬆症予防の啓発活動」をテーマに取り組んでいた私は、「患者の会」ということに些か抵抗があり、そのまま一年が過ぎていた。平成11年の春、再度折茂先生より要請があり、その上細井孝之先生が「全面的に協力するから」と言われたこともあって立ち上げに踏み切った。そこでまずスタッフとしては、私が当時日本女子大学に在職していたことから、学内の医師(佐藤和人教授・健康管理センター所長)や、活躍している卒業生に声をかけ、「子供から高齢者のライフステージの骨を守る」ことを目的に会の名称も「東京骨を守る会」として立ち上げた。当初は会の名称を「日本骨を守る会」や「関東骨を守る会」などと考えたが、まずは足元からということで「東京」とした。今思うと、それから12年後の今日、「全国骨を守る会連合会(後述)」の設立にまで至ったことは真に感慨深いものがある。「東京骨を守る会」の運営については、月1回の会議、講演会は年2回、ニュースレターは年4回とした。講演には第一線で活躍されている多くの先生方の協力を得ることが出来た。第1回の講演は折茂先生(当会の顧問)にお願いし、失礼ながら「易しく、分かりやすいお話と図表で」と注文を付けてお願いした。なぜなら、私の知る折茂先生は、学術的な難しい内容の上に常に100枚ほどの、英語やぎっしり詰め込まれたデータの図表で講演されていたからである。しかし、当日の講演は実に易しく、分かりやすいスライドで、ゆっくりとお話されたので感動した。こうして折茂先生による一般市民に対する啓発活動の第1ページはまさに大成功であった。講演の後には毎回のように「お楽しみ会」やQ&A、さらには骨量測定も用意した。お楽しみ会の第1回目は美智子皇后のハープの先生(桑島すみれ先生、元NHK交響楽団ハーピスト)の演奏、2回目はいきいき9. 全国の「骨を守る会」について
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