骨粗鬆症財団設立30周年記念誌 OSTEOPOROSIS
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19三浦 現在、医師だけでなく、看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士など患者さんを取り巻く多くの職種が骨粗鬆症診療の担い手として活躍していることについてお話しいただけますか。石橋 以前はあまりなかったことですが、看護師に加えて管理栄養士や薬剤師など、医師以外のスタッフが病棟の担当として患者さんに介入することが増えました。医師は、他の疾患と同様に骨粗鬆症や骨折についても検査や治療を進める訳ですが、それに並んで多職種のスタッフが医師と連携して、医師の足りない部分を補完していくことが治療を進めるうえで重要となります。このように目的を共有できる体制を現場でつくることが大切です。三浦 患者さんの側としては、医師からだけでなく、他のスタッフから栄養面、運動面などについて具体的に何をしたらいいか聞くことで自分が支えられていると感じるメリットがあるように思います。小川併せて、在宅医療の現場やケアマネージャー、行【司会】三浦 雅一  【出席者】石橋 英明(整形外科医) 小川 純人(内科医) 寺内 公一(婦人科医)早い時期から予防や治療に取り組む必要があります。これからの骨粗鬆症予防と治療を考えるうえで大切なことは、自分の周りにいる様々な立場の人たちとの「共創」、つまり、共に考え、意見や情報を交換し、同じ目標(骨粗鬆症の予防、転倒・骨折の予防)に向かって行動すること、またそれができる社会を創ることです。本座談会では、実臨床の現場で日々、骨粗鬆症の診療に携わっている内科系、外科系、婦人科系の医師に、骨粗鬆症の予防と治療における共創をいかに進めるか、現況や課題、未来の展望を交えて語っていただきました。1. 予防をいかに自分のこととして捉えるか骨粗鬆症の予防と治療には「共創」が大切“骨粗鬆症は予防と治療が可能な疾患ですが、加齢とともに有病率が高まるため、人生のより”

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