骨粗鬆症財団からのお知らせ

IOF声明「新型コロナウイルス(COVID-19)と骨粗鬆症について」

2020/05/11
新着情報

この度、公益財団法人骨粗鬆症財団は下記「COVID-19に対する骨粗鬆症患者向けのステートメント」(日本骨粗鬆症学会・日本理学療法士協会監訳)に賛同しました。その日本語版を掲載いたします。

前文
国際骨粗鬆症財団(IOF:INTERNATIONAL OSTEOPOROSIS FOUNDATION)は骨粗鬆症患者さんのために以下の声明を発表しました。
一般社団法人日本骨粗鬆症学会もこの声明に賛同し、日本語に翻訳しました。
なお翻訳は日本骨粗鬆症学会、日本理学療法士学会ウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法部門の共同翻訳(日本の実情に合わせて一部改変)で、日本骨代謝学会、骨粗鬆症財団にも賛同いただいています。
     IOFリンク先:https://www.iofbonehealth.org/news/covid-19-and-osteoporosis

新型コロナウイルス(COVID-19)と骨粗鬆症について
安全に配慮して過ごして下さい、そして十分な情報を入手してください。高齢者の方及び骨粗鬆症患者さんにとって安全で快適に過ごすためのいくつかの有益な情報を提供します。

新型コロナウイルスが広がり続ける中、国際骨粗鬆財団 (IOF) は皆さんとそのご家族が安全で健やかに過ごせることを願っています。

高齢の方、糖尿病、肺、心臓、腎臓の病気などの慢性疾患を抱えておられる患者さんは新型コロナウイルス感染によって、重篤な合併症を起こす危険が高いことを十分に心に留めておく必要があります。我々は皆さんが安全に過ごしていただけるように、皆さんのそれぞれの国の保健当局が推奨する新型コロナウイルス感染予防対策をとりながら生活することをお勧めします。世界保健機構(WHO)はあなた自身を新型コロナウイルスから守る方法、また旅行に関しての注意点やその他の指針について重要な情報をウエブサイトで提供しています。

骨粗鬆症患者さんや骨粗鬆症治療薬を服用中の方は、骨粗鬆症自体が新型コロナウイルスの感染やそれによる重篤な合併症の危険性を高めるものではないことについて改めて申し上げたいと思います。

しかしながら、現在の状況では、骨粗鬆症の患者さんは今まで以上に、骨折を起こさないようにすることが重要となります。新型コロナウイルス患者への対応のため、医療体制は逼迫しており、一般的に余程のことが無い限り病院へ行くことを避けるように推奨されているからです。

・ 転倒を予防することが重要です:自宅に転倒につながるような障害物がないことを確認しましょう。

• 医師から処方された骨粗鬆症治療薬の服用を中止しないようにしましょう(カルシウムやビタミンDのサプリメントなどを含む)。
もし気になることがあれば、すぐにかかりつけ医に相談しましょう。

• もし、かかりつけの医療機関や行政の指導で、自宅で過ごすように指導されている場合や、外出し病院へ行くことが心配な場合、または処方薬の補充が必要な場合は、電話診察を受けることも考えましょう。
電話再診の方法と内容は医療機関毎に異なりますので、かかりつけの医療機関のホームページを確認するか、直接問い合わせて下さい。

• 電話やメールを利用して、家族や友人と連絡を取り続けましょう。
(物理的に隔離されていても社会的に隔離されているわけではありません。)

• 買い物や処方薬の補充、その他の用事が必要であれば、気兼ねなく協力をお願いしましょう。

骨粗鬆症治療薬のための注射や点滴薬の投与がキャンセルになる、あるいは体調がとても悪く、骨粗鬆症治療薬を服薬できない場合でも、一時的な治療薬の服用の遅れが、長期的な骨の健康への影響を与えることはありません。しかし、もしあなたがデノスマブ(プラリア®)を注射している場合は休薬により治療効果がすぐに弱まるため、次回の注射治療を4週間以上遅らせないことが必要です。骨粗鬆症治療の効果が維持できるようにできるだけ早く、主治医に相談し、注射治療のスケジュールを変更するようにしましょう。もし体調が悪く、錠剤を飲めなかった時は、体調が回復したらすぐに、通常の服用量で再開することを忘れないようにしましょう。

全ての高齢者の方及び、新型コロナウイルスによる影響をより受けやすい方々を守るための重要な指針に従いましょう。そして、骨折を起こさないように安全に配慮して生活していきましょう。

翻訳
● 日本骨粗鬆症学会
  ・ 萩野 浩/鳥取大学医学部保健学科
  ・ 鈴木 敦詞/藤田医科大学医学部内科学内分泌代謝科
  ・ 竹内 靖博/虎の門病院内分泌センター
  ・ 遠藤 直人/新潟県地域医療推進機構燕労災病院
● 日本理学療法士学会ウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法部門
  ・ 大内 みふか/北海道医療大学リハビリテーション科学部
  ・ 松本 浩実/川崎医療福祉大学リハビリテーション学部